太陽光発電を取り巻く環境は、固定価格で売電するだけの時代から、電力市場の動きに合わせて運用を考える時代へ移りつつあります。特に既設のFIT案件をお持ちの方にとって、今後の大きな論点になるのが「出力制御」と「FIP転換」です。
出力制御とは、電気の供給が需要を上回るおそれがあるときに、太陽光や風力などの発電量を一時的に抑える仕組みです。再生可能エネルギーの導入が進むほど、地域によっては発電しても売れない時間が増える可能性があります。
FITから先に制御される流れへ
資源エネルギー庁の2026年版FIT/FIP制度ガイドブックでは、FIP電源は需給バランスへの貢献度が高い電源であることを踏まえ、FIT電源が制御された後にFIP電源を制御する方向が示されています。運用開始は、2026年度または2027年度に、システム改修が終わったエリアから順次とされています。
つまり、今後は同じ再エネ電源でも、FITのままなのか、FIPへ移行しているのかによって、出力制御リスクの見え方が変わってくる可能性があります。
エリア別の試算では差が出ている
資源エネルギー庁の「再生可能エネルギー出力制御の長期見通し等について」では、FIP比率25%の場合の試算として、FIT電源とFIP電源の出力制御率に差が出る傾向が示されています。
| エリア | FITの出力制御率 | FIPの出力制御率 |
|---|---|---|
| 北海道 | 36%(3,400時間) | 7%(761時間) |
| 東北 | 18%(1,204時間) | 8%(508時間) |
| 九州 | 28%(1,242時間) | 1%(100時間) |
これは一定の前提を置いた試算であり、将来の制御率を保証するものではありません。それでも、太陽光発電の収益を考えるうえで、出力制御を無視できない段階に入っていることは明らかです。
FIP転換と蓄電池併設をセットで考える
FIPへ移行すると、市場価格に応じた売電やプレミアムを組み合わせた運用になります。ここに蓄電池を併設すると、発電した電気をそのまま売るだけでなく、価格や需給の状況に合わせて充放電する選択肢が生まれます。
たとえば、太陽光の発電量が多く市場価格が下がりやすい時間帯に蓄電し、需要が高まる時間帯に放電する。あるいは、需給調整に関わる市場への参加を検討する。このように、発電設備を「売電設備」から「運用する電力資産」へ変えていく発想が重要になります。
既設オーナーが今確認したいこと
- 現在のFIT残存期間と売電単価
- 所在エリアの出力制御実績と今後の見通し
- FIP転換した場合の収益シミュレーション
- 蓄電池を併設した場合の設備費、運用費、回収見込み
- 接続条件、制度変更、税務上の取扱い
大切なのは、「FITのままが安心」と決めつけないことです。制度と市場が変わる以上、過去の前提で作った収支計画を見直す必要があります。
株式会社プラスアルファでは、太陽光発電、蓄電池、FIP転換を含めたエネルギー資産の活用についてご相談を承っています。所有されている設備や土地の条件によって適した選択肢は変わりますので、まずは現状の整理からお気軽にご相談ください。